タイトル

科目名[英文名] 泌尿器学[Urology] 
担当教員[ローマ字表記] 溝上 敦[MIZOKAMI, Atsushi], 泉 浩二[IZUMI, Kouji], 重原 一慶[SHIGEHARA, Kazuyoshi], 野原 隆弘[NOHARA, Takahiro], 川口 昌平[KAWAGUCHI, Shohei], 飯島 将司[IIJIMA, Masashi], 八重樫 洋[YAEGASHI, Hiroshi], 蒲田 敏文[GABATA, Toshifumi], 横山 修, 宮澤 克人, 松井 太[MATSUI, Futoshi], 岩本 大旭[IWAMOTO, Hiroaki], 門本 卓[KADOMOTO, Suguru] 
科目ナンバー -----  科目ナンバリングとは
時間割番号 41176  科目区分 ----- 
講義形態 -----  開講学域等 医薬保健学域 
適正人数 -----  開講学期 Q1 
曜日・時限 集中  単位数 2単位 
授業形態 対面のみ  60単位上限 対象外 
対象学生 ----- 
キーワード 泌尿器科学、集学的癌治療学、男性生殖器、ロボット手術、アンドロロジー、性感染症 
講義室情報 (対面のみ) 
開放科目 ----- 
備考 開講学期,開講時限等は時間割表等で確認すること。 

授業の主題
泌尿器科領域における診断法および治療法を学ぶ。
 
学修目標(到達目標)
泌尿生殖器疾患の検査、診断法および治療法を学ぶ。

●基本的に泌尿器科は、男女共通の臓器のうち、後腹膜臓器である副腎、腎臓、尿管、膀胱、尿道と、
男性特有の生殖臓器である前立腺、精巣、陰茎などに生じる様々な疾患を扱う科である。
これらの臓器で発生する疾患は意外に多く、泌尿器科の中でもかなりの専門分野に分かれる。
従って、これらの臓器から発生する疾患について知識を深めるために様々な疾患に関する泌尿器専門医に
講義をしてもらい、後腹膜臓器の解剖、これらの臓器の主な機能、様々な疾患に関する検査方法、
治療法についての理解を深めてもらう。

【対応する医学類DP】
A. 知識及び技能:臨床医学領域における専門的な知識を身につける。
●泌尿生殖器疾患を診断するためにはどのような検査をすべきか、その検査によって得られる知見、
検査方法を理解する。最近の医学の進歩は目覚ましく、数年の間に治療法ががらりと変わることも珍しくない。
最新の治療法についても解説し、泌尿生殖器疾患の治療法について深く学んでいただく。

【対応する医学類DP】
A. 知識及び技能:診断及び治療の基本的技能を修得する。
B. 研究心:科学的研究の最新情報を収集・実践できる能力を持っている。
●最近の医療では、患者のQOLを重視し、できるだけ身体的負担のかからない診断方法、治療法の選択が
求められている。さらに超高齢社会の到来により、患者の家庭的事情や医療経済的な面などの社会的背景を考慮した
医療の提供が求められている。泌尿器科疾患は高齢者において発症する頻度が高いため、QOLや社会的背景を考慮する
必要性が高くそのような視点で患者・疾患をみる能力を養っていただく。

【対応する医学類DP】
C. 倫理観:患者の自己決定権の重要性を理解する。価値観の多様性を理解する。
D. 地域医療:医療の経済的側面を理解する。
●泌尿器科は外科系に属するが疾患の診断から治療までを一貫に行っており、内科的彩色も強い。
また、他の多くの領域と関連性を有しており、放射線科、内分泌内科、腎臓内科など、多くの科と連携して
診療を行っている。本講義においても連携し、放射線診断専門医に泌尿器科領域の画像診断について講義いただき、
泌尿器科疾患の診断について理解を深めてもらう。

【対応する医学類DP】
A. 診断及び治療の基本的技能を修得する。
E. コミュニケーション:他の医療従事者との連携を重視する。
 
授業概要
〇講義:泌尿器科総論
泌尿生殖器臓器の解剖、生理的機能をまず解説する。
泌尿器科で扱う主な疾患、診断を行うための検査法、疾患に対する治療法について概説する。

〇講義:前立腺肥大、尿閉・無尿
前立腺肥大症の病因、疫学を理解し、肥大症による症状を把握し、診断方法を理解する。
さらに前立腺肥大症に対する保存的治療から手術までを理解する。
また、症状としての尿閉とは何か、無尿とは何かを理解し、その病因となる疾患について理解を深める。
また、尿閉、無尿を改善させるための処置を学ぶ。

〇講義:泌尿器科領域のCT、MRI
泌尿生殖器臓器の解剖を理解した上で、泌尿器科で扱う主な疾患を診断するために
必要なCT、MRIについて説明し、疾患に典型的な所見を解説する。

〇講義:泌尿器科診断学
泌尿器科で扱う疾患を正しく診断するため、問診、触診について説明する。
また検査法として顕微鏡検査、超音波検査、レントゲン検査、内視鏡検査など様々な検査法について解説する。

〇講義:小児泌尿器
先天性疾患の中で、泌尿器科で扱う疾患は意外と多い。
先天性疾患の発生学的要因を理解し、その治療法について理解する。

〇講義:排尿障害、神経因性膀胱
排尿に関する臓器の神経支配、解剖を理解する。また排尿障害、神経因性膀胱の病因を理解し、
その検査方法、治療方法を学ぶ。

〇講義:腎腫瘍
腎腫瘍の疫学、症状、診断方法、ステージ別治療法について学ぶ。

〇講義:Female Urology(女性泌尿器)
女性特有の泌尿器科的疾患として、膣から膀胱、子宮、直腸などの骨盤内臓器が下垂し、
日常生活に支障を来す骨盤臓器脱がある。この骨盤臓器脱の発生要因を理解し、その診断、治療法について学ぶ。

〇講義:腎移植
生体腎移植、死体腎からの移植、脳死移植を行うための免疫抑制剤について理解する。
移植のための解剖、手術方法を理解する。

〇講義:ED・LOH(勃起不全・加齢男性性腺機能低下症候群)
Erectile dysfunction (ED)(勃起不全)の病因を理解し、その治療法について学ぶ。
Late-onset hypogonadism (LOH)(加齢男性性腺機能低下症候群)は男性ホルモンの
部分欠乏による諸症状からなる症候群であるが、その症状、診断、治療、アンドロゲン補充療法についての
理解を深める。

〇講義:精巣腫瘍
精巣腫瘍の分類、診断について理解する。精巣腫瘍に対する抗癌化学療法の意義について理解する。

〇講義:男性不妊
以前は不妊の原因として女性側の要因が強いとされてきた。
しかし、現在では不妊の原因は男女にほとんど差はないと考えられている。
この男性不妊の原因を学び、不妊治療に関する治療方法を理解する。

〇講義:前立腺癌
前立腺の解剖を学び、前立腺癌の疫学、前立腺癌の生物学的特徴を理解する。
前立腺癌の診断のための検査方法、病理学的検査を理解する。内科的治療、放射線療法、手術療法を理解する。

〇講義:尿路結石
尿管結石の成因を理解し、尿管結石の症状、診断方法を学ぶ。
また尿管結石に対する体外衝撃波結石破砕術、経尿道的結石破砕術、経皮的腎結石破砕術などの治療方法を理解する。

〇講義:Endourology(泌尿器内視鏡)
泌尿器科で扱う内視鏡について理解を深めてもらう。内視鏡を使用した診断、
内視鏡的手技が適応となる疾患を理解し、その治療について学ぶ。

〇講義:副腎/外傷
副腎は内分泌臓器である。その副腎が原因とする内分泌疾患を理解し、その診断方法、治療方法を学ぶ。
また副腎腫瘍の術前・術後管理について理解する。
外傷に関しては、後腹膜臓器別の外傷の分類を理解し、その診断・治療法を学ぶ。

〇講義:まとめ
比較的なじみのないと考えられている泌尿器生殖器疾患は、超高齢社会では避けて通れないものばかりがある。
これらの疾患についてあらためて理解してもらい、泌尿器生殖器疾患の診断、治療の重要性を理解する。


なお、講義の順番が変更になることがある。




 
評価方法と割合
評価方法
【授業には3分の2以上の出席を必要とする】
次項の項目及び割合で総合評価し、次のとおり判定する。
「S(達成度90%~100%)」、「A(同80%~90%未満)」、
「B(同70%~80%未満)」、「C(同60%~70%未満)」を合格とし、
「不可(同60%未満)」を不合格とする。(標準評価方法)
 
評価の割合
・(0)% 小テスト
・(0)% 中間試験
・(100)% 学期末試験
・(0)% レポート
・(0)% 演習の発表点
なお、授業態度を加点対象とする。
 
授業時間外の学修に関する指示
予習に関する指示
次回の授業で扱う範囲について、指定教科書もしくは他の泌尿器科学解説書で
該当する部分(導入部のみでも可)に目を通し、概要をつかむ。
下記に『標準泌尿器科学第10版』における具体的予習範囲を示す。
〇泌尿器科総論:p1-5
〇前立腺肥大、尿閉・無尿:p232-235
〇泌尿器科領域のCT、MRI:p70-73
〇泌尿器科診断学:p60-62, p66-70
〇小児泌尿器:p114-118
〇排尿障害、神経因性膀胱:p149-155
〇腎腫瘍:p212-217
〇Female Urology(女性泌尿器):p161-166
〇腎移植:p175-178
〇ED・LOH(勃起不全・加齢男性性腺機能低下症候群):p275-280
〇精巣腫瘍:p245-248
〇男性不妊:p271-274
〇前立腺癌:p235-240
〇尿路結石:p186-196
〇Endourology(泌尿器内視鏡):p288-292
〇副腎/外傷:p132-135
〇まとめ:指定なし
 
予習に関する教材
オンデマンド教材(授業内容の一部)
 
復習に関する指示
授業終了後、再度講義資料に目を通し、理解が不十分と思われる部分については教科書で確認を行う。
教科書を読んでも理解が難しい、もしくは教科書に記載がない場合は、教員に質問し疑問点を解消しておくこと。
 
復習に関する教材
オンデマンド教材(授業内容の一部)
 
教科書・参考書
教科書
教科書 書名 ISBN
978-4-524-25037-0
著者名
吉田修監修
出版社
南江堂
出版年
2013
 
参考書
参考書 書名 ISBN
978-0-323-54642-3
著者名
A.W.Partin, R.R.Dmochowski, L.R.Kavoussi, et al. (eds.)
出版社
ELSEVIER
出版年
2021
 
オフィスアワー等(学生からの質問への対応方法等)
泌尿器科医局へメールにて依頼する
メールアドレス:urology@med.kanazawa-u.ac.jp
 
履修条件
その他履修上の注意事項や学習上の助言
積極的に取り組み、わからないことがあれば積極的に質問すること。
 
特記事項
特になし

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