タイトル

科目名[英文名] 物理光学a[Physical Optics a] 
担当教員[ローマ字表記] 藤竹 正晴[FUJITAKE, Masaharu] 
科目ナンバー PHYS3763A  科目ナンバリングとは
時間割番号 46063  科目区分 ----- 
講義形態 -----  開講学域等 理工学域 
適正人数 -----  開講学期 Q3 
曜日・時限 木2  単位数 1単位 
授業形態 対面のみ  60単位上限 対象外 
対象学生 ----- 
キーワード 電磁光学、マックスウェルの方程式、平面電磁波、反射と屈折、反射率、透過率、  
講義室情報 自然科学5号館B 第5講義室(対面のみ) 
開放科目 ----- 
備考 ----- 

授業の主題
光の本性は電磁波であり、光の伝搬、反射と透過、偏光、干渉、回折などは光がもたらす電磁場とその波動性を考慮して初めて理解できる現象である。この講義では、光を古典的電磁波として記述し、そして光によって引き起こされる種々の物理光学現象を、電磁光学の理論に基づいて説明していく。

 
学修目標(到達目標)
この講義では、光の種々の現象を電磁場理論に基づいて解説する。
以下にあげる能力の習得を目指す。
(1) マックスウェルの方程式から波動方程式を導出して平面電磁波の伝播式を求める。
(2) 反射と屈折の法則を境界条件により導出し、反射率や透過率を表す式を求める。
 
授業概要
各回の授業内容および参考資料の復習と、必要なレポートの作成に、90分間×7.5回分に相当する自習時間が必要。講義で学習した物理法則や公式について、基本となる原理、導出過程、その解釈を復習し、可能ならば、電磁気や量子力学、物理数学などで習った知識と関連づけて理解するよう努める事。また、講義の内容に関連するキーワードが次のアウトラインのカッコ内に示してあるので、それについて簡単に予習しておくこと。

第1回 マックスウェルの方程式と電磁波 (マックスウェルの方程式、波動方程式)
第2回 波動方程式と平面電磁波1(波動方程式と平面波)
第3回 波動方程式と平面電磁波2(平面電磁波の波面、電場、磁場、波動ベクトル)
第4回 光の反射と屈折1(境界条件、反射法則、屈折法則)
第5回 光の反射と屈折2(振幅反射率と振幅透過率、p偏光とs偏光)
第6回 光の反射と屈折3(マックスウェルの方程式、ストークスの定理、ガウスの発散定理から導かれる境界条件)
第7回 光の反射と屈折4(光線束のエネルギーに対する反射率と透過率とエネルギー保存則)
第8回 光の反射と屈折5(計算課題とディスカッション)+期末試験
各自で各種反射率と透過率を、PCを用いて計算し可視化し、得られた結果をもとに考察し学生間でディスカッションする。その後、期末試験を実施する。

 
評価方法と割合
評価方法
次項の項目及び割合で総合評価し、次のとおり判定する。
「S(達成度90%~100%)」、「A(同80%~90%未満)」、
「B(同70%~80%未満)」、「C(同60%~70%未満)」を合格とし、
「不可(同60%未満)」を不合格とする。(標準評価方法)
 
評価の割合
学期末試験 60
レポート 40
 
ルーブリック
【授業別ルーブリック】
評価項目評価基準
電磁波の基礎知識と理解 ・マックスウェル方程式と関連する物理現象 ・電磁気学における構成方程式 ・電磁波の伝搬と平面電磁波基本公式の導出と考察力 マックスウェル方程式に基づいた ・波動方程式の導出 ・ダランベール解の導出 ・境界条件の導出 屈折率が小さな媒質から大きな媒質への平面単色光の入射に対する ・反射の法則と屈折(スネル)の法則の導出 ・振幅に対する反射率と透過率の導出 ・光の強度、および光線束のエネルギーに対する反射率と透過率の導出 ・反射・透過現象のエネルギーの観点からの考察具体的な計算による可視化と応用 ・反射率および透過率の計算のための公式の活用と、可視化による現象の理解 ・偏光サングラスを例とした、身近な光学現象の原理と応用の理解 ・ブリュースター窓を例とした高度な光学現象の原理と応用の理解
S全項目について正しく理解できており、数式に基づいて的確に説明することができる。 高度な光学現象の理解や応用問題を解くにあたり、適切に用いる事ができる。全項目について深く理解できており、基本公式を正しく導出することができる。 導出に必要となる数学的知識を正しく理解し、適切に利用できる。 得られた公式の持つ意味をより深く掘り下げて考察することができる。 基本公式やその導出過程で導入された考え方や数学手法を、より高度な現象や問題を理解し解決するために適切に用いる事ができる。種々の反射率と透過率を、屈折率からコンピュータを用いて算出することができ、適切にグラフを作成して可視化できる。その結果に基づいて,数式だけからではわかりにくい特徴や特別な現象について深く理解し、正しく説明することができる。 この授業で学んだ理論や現象に基づいて、高度な応用例や身近に起きている光学現象を正しく理解し、的確に説明することができる。
A項目の殆どについて正しく理解できており、数式に基づいて十分な説明ができる。 高度な光学現象の理解や応用問題を解くにあたり、適切に用いる事ができる。項目の殆どについて理解できており、基本公式を正しく導出することができる。 導出に必要となる数学的知識を理解し、利用できる。 得られた公式の持つ意味を考察することができる。 基本公式やその導出過程で導入された考え方や数学手法を、より高度な現象や問題を理解し解決するために程度利用する事ができる。種々の反射率と透過率を、屈折率からコンピュータを用いて算出することができ、グラフを作成して可視化できる。その結果に基づいて,数式だけからではわかりにくい特徴や特別な現象について理解し説明することができる。 この授業で学んだ理論や現象に基づいて、高度な応用例や身近に起きている光学現象を説明することができる。
B各項目について概ね理解できており、数式に基づいて説明することができる。 光学現象の理解や基本的問題を解くにあたりある程度用いる事ができる。各項目について概ね理解できており、基本公式を導出することができる。 導出に必要となる数学的知識を概ね理解している。 得られた公式の持つ意味を考察することができる。 基本公式やその導出過程で導入された考え方や数学手法を、基本的な問題の解決にある程度利用する事ができる。種々の反射率と透過率を、屈折率からコンピュータを用いて算出し,グラフに可視化できる。その結果に基づいて,数式だけからではわかりにく特徴や特別な現象について概ね理解することができる。 この授業で学んだ理論や現象に基づいて、高度な応用例や身近に起きている光学現象について理解できる。
C各項目について概ね理解できており、ある程度説明することができる。 基本的問題を解くにあたりある程度用いる事ができる。各項目について概ね理解できており、基本公式をある程度説明することができる。 導出に必要となる数学的知識を概ね理解している。 得られた公式の持つ意味をある程度考察することができる。 種々の反射率と透過率を、屈折率からコンピュータを用いて算出できる。 この授業で学んだ理論や現象に基づいて、身近に起きている光学現象について理解できる。
不可理解できている項目は半分程度以下で、正しく説明することができていない。理解できている項目は半分程度以下で、自分では公式を完全には導出できない。種々の反射率と透過率を、屈折率からコンピュータを用いて正しく算出できない。 この授業で学んだ理論や現象に基づいて、身近に起きている光学現象について理解できていない。
 
授業時間外の学修に関する指示
予習に関する指示
★3.オンデマンド教材以外の指示・課題
 
予習に関する教材
オンデマンド教材以外の指示・課題
 
復習に関する指示
各回の授業内容を十分理解するように、テキストやノートで内容を確認してください。必要に応じて、指定された参考書で十分に学習してください。授業は前回までの内容を十分理解していることを前提にしているので、理解が不足すると授業が進むにつれて理解が困難になっていきます。
 
復習に関する教材
オンデマンド教材以外の指示・課題
 
教科書・参考書
教科書・参考書補足
参考書
光学の原理I、II、III(ボルン・ウォルフ、東海大学出版会)

 
オフィスアワー等(学生からの質問への対応方法等)
質問や相談の時間帯は、主に月曜日10時から12時とする。
電子メールでの問い合わせも受け付ける
:fujitake@staff.kanazawa-u.ac.jp

 
履修条件
その他履修上の注意事項や学習上の助言
光の性質や現象を理解するためには、単に公式の導出法を学習するだけでは不十分である。具体的な問題に公式を適用し、PCを用いて計算し可視化すると良い。

 
特記事項
カリキュラムの中の位置づけ
この講義は、電磁気学、量子力学、物理数学で学習した内容の復習に役立ち、また応用として重要である。また、この講義の内容は物理実験1と2において行われるテーマの理解にも役立つ。

 

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