タイトル

科目名[英文名] マテリアルシミュレーションA[Material Simulation A] 
担当教員[ローマ字表記] 内田 博久[UCHIDA, Hirohisa], 吉元 健治[YOSHIMOTO, Kenji] 
科目ナンバー CHEN3910A  科目ナンバリングとは
時間割番号 42185  科目区分 ----- 
講義形態 -----  開講学域等 理工学域 
適正人数 -----  開講学期 Q1 
曜日・時限 木2  単位数 1単位 
授業形態 対面と遠隔の併用(対面≧遠隔)  60単位上限 対象外 
対象学生 ----- 
キーワード 分子シミュレーション,モンテカルロ(MC)法,分子動力学(MD)法,マテリアルデザイン(材料設計),固体や流体の物性と構造  
講義室情報 自然科学本館(総合研究棟Ⅴ) 303講義室(対面と遠隔(オンデマンドと双方向)の併用) 
開放科目 ----- 
備考 ----- 

授業の主題
 モンテカルロ(MC)法や分子動力学(MD)法などのコンピュータシミュレーションは,原子・分子レベルでの観測・分析・メカニズム解明が可能となり,電子デバイス(電池,半導体など)や新素材などのマテリアルデザイン(材料設計)の基盤技術の一つとして非常に重要になっている。また近年では,コンピュータシミュレーションの結果はマテリアルズ・インフォマティクス[情報科学技術(機械学習やデータマイニング等)を材料分野へ応用した学問]の学習データとしても利用されている。しかし,適切な計算手法・条件などの選択に知識や経験が必要であり,大学で体系的に学ぶ機会が少ないことから,コンピュータシミュレーションをマテリアルデザインにどのように役立てればよいのか,よく分からない場合が多い。そこで本講義では,コンピュータシミュレーションによるマテリアルデザインの方法論を理解し,自分で実践することが可能となることを目的とし,まずコンピュータシミュレーションの基礎として,コンピュータシミュレーションとは何か,コンピュータシミュレーションに必要不可欠な基礎事項(熱力学アンサンブル,基本セルと周期境界条件,分子モデルと分子間ポテンシャルなど)について学修する。さらに,マテリアルデザインに必要な情報である物性[平衡物性(圧力,温度,内部エネルギー,化学ポテンシャルなど)と輸送物性(拡散係数,自己相関関数など)]や固体・流体構造(動径分布関数)などの計算手法を学修することにより,コンピュータシミュレーションのマテリアルデザインへの有用性の理解,ならびに研究においてコンピュータシミュレーションを用いてマテリアルデザインが可能となる基礎的基盤を構築する。
 
学修目標(到達目標)
1. マテリアルデザインに有用な技術であるコンピュータシミュレーション(分子動力学法,モンテカルロ法,分子力学法,分子軌道法)の基礎について理解する。
2. コンピュータシミュレーションに必要不可欠な基礎事項(熱力学アンサンブル,基本セルと周期境界条件,分子モデルと分子間ポテンシャルなど)について理解する。
3. マテリアルデザインに必要な情報である物性や固体・流体構造(動径分布関数)などの計算手法を理解する。
4. 分子動力学法の基礎(概要,原理,計算方法:差分法など)について理解する。
5. モンテカルロ法の基礎(概要,原理,計算方法:メトロポリス法など)について理解する。
6. コンピュータシミュレーションによるマテリアルデザインへの有用性を理解する。

 
授業概要
第1回 授業ガイダンス(授業内容,スケジュール,単位認定などの説明),コンピュータシミュレーションの基礎(1)[コンピュータシミュレーションとは,分子動力学(MD)法,モンテカルロ(MC)法,分子力学(MM)法,分子軌道(MO)法の概要]
第2回 コンピュータシミュレーションの基礎(2)[基本セル,周期境界条件,熱力学アンサンブル]
第3回 コンピュータシミュレーションの基礎(3)[分子モデル,分子間ポテンシャル]
第4回 モンテカルロ法の基礎(1)[概要,原理,計算方法(メトロポリス法)]
第5回 モンテカルロ法の基礎(2)と得られる情報[具体的な計算方法,動径分布関数,平衡物性(内部エネルギー,圧力)]
第6回 分子動力学法の基礎(1)[概要,原理,計算方法,セルサイズ,初期条件の設定,粒子に働く力の計算法,粒子の動かし方]
第7回 分子動力学法の基礎(2)[熱力学アンサンブル,原子間ポテンシャルの設定]
第8回 分子動力学法の基礎(3)[分子動力学計算から求められる物理量(熱力学量,構造解析,相関関数,輸送物性)]
 
評価方法と割合
評価方法
次項の項目及び割合で総合評価し、次のとおり判定する。
「S(達成度90%~100%)」、「A(同80%~90%未満)」、
「B(同70%~80%未満)」、「C(同60%~70%未満)」を合格とし、
「不可(同60%未満)」を不合格とする。(標準評価方法)
 
評価の割合
【対面授業の場合は,3分の2以上の出席を必要とする。ただし,遠隔(オンデマンド)授業の場合は,全ての授業動画の視聴と全てのレポート提出を必要とする。】
・100% レポート
 
授業時間外の学修に関する指示
予習に関する指示
授業を有意義な機会とするために,授業スケジュールに従って次回授業の予習を行うことを推奨する。
 
予習に関する教材
オンデマンド教材(授業内容の全体)
 
復習に関する指示
授業内容を直後に復習することで,授業内容の深い理解と定着が可能となる。基本的な概念を暗記・理解した後は,分子動力学計算の考え方を習得することが重要である。教科書をよく理解し,さらに教科書内の例題や演習問題などを自分で再度解くことにより,分子動力学計算によるマテリアルデザインの基礎知識と考え方がより定着する。毎回,レポートを課すが,それ以外にも自ら考えることが重要である。レポートを解答する際や講義で不明な点がある場合は,必要に応じて参考書を参照してほしい。
 
復習に関する教材
オンデマンド教材(授業内容の全体)
 
教科書・参考書
参考書
参考書 書名 ISBN
9784759814750
著者名
岡崎進, 吉井範行著
出版社
化学同人
出版年
2011
参考書 書名 ISBN
4254120699
著者名
上田顯著
出版社
朝倉書店
出版年
1990
参考書 書名 ISBN
9784842597096
著者名
北川浩,北村隆行,渋谷陽二,中谷彰宏
出版社
養賢堂
出版年
1997
参考書 書名 ISBN
9784320034372
著者名
佐藤明著
出版社
共立出版
出版年
2004
参考書 書名 ISBN
9784807909087
著者名
Peter Atkins, Julio de Paula著 ; 中野元裕 [ほか] 訳
出版社
東京化学同人
出版年
2017
参考書 書名 ISBN
9784807909094
著者名
Peter Atkins, Julio de Paula著 ; 中野元裕 [ほか] 訳
出版社
東京化学同人
出版年
2017
参考書 書名 ISBN
4627921616
著者名
泉聡志, 増田裕寿共著
出版社
森北出版
出版年
2013
 
オフィスアワー等(学生からの質問への対応方法等)
金曜日の午後をオフィスアワーとするが,他の日時でも対応可能な場合があるため,事前にメールや電話などでアポイントをとっていただきたい。内田の居室は自然科学研究棟1号館4Fの1C417号室である。
内田居室電話: 076-234-4820(内線4820)
メールアドレス: uchida@se.kanazawa-u.ac.jp
 
履修条件
その他履修上の注意事項や学習上の助言
本授業に関する情報はWebClassおよびアカンサスメッセージにて伝達する。
疑問点がある場合は,可能な限り授業中に質問して解消につとめること。また,授業ではコンピュータを用いた演習を毎回行うため,自分のパソコンを持参すること。
正当な理由によりやむを得ず授業を欠席する場合は,必ず事前に連絡するすること。事後連絡の場合は,欠席の根拠となる証明書等を提示すること。
 
特記事項
カリキュラムの中の位置づけ
一般化学の基礎知識を修得していることを前提として,授業を進める。また、熱力学や物理化学の基礎知識が要求される。
 
特記事項
1. 授業ではコンピュータを用いた演習を毎回行うため,自分のパソコンを持参すること。
2. モンテカルロ法の計算ソフトウェア(内田作成)は,MS Windows上で動くものである。また,分子動力学計算ソフトウェアとして,富士通(株)の「SCIGRESS ME 特別版モジュール」を用いる。そのため,以下の性能を有するコンピュータを用意することが必要である。
動作環境
OS: Windows 7, Windows 10, Windows 11 (Macでは作動しないため注意すること)
メモリ: 2GB以上(推奨)
HDD空き容量: システム350 MB + データ領域
3. コンピュータはインターネット(例えば,本学のKAINS-WiFi等)に接続されていること。
 

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