タイトル

科目名[英文名] 複素解析及び演習[Theory of Complex Analysis and Exercise] 
担当教員[ローマ字表記] 藤解 和也[TOHGE, Kazuya] 
科目ナンバー MATH2904A  科目ナンバリングとは
時間割番号 24007  科目区分 ----- 
講義形態 -----  開講学域等 理工学域 
適正人数 履修者が金沢大学の学生として真摯に学習に取り込むならば教室の収容可能人数がの適性値になる.  開講学期 Q3,Q4 
曜日・時限 水1  単位数 2単位 
授業形態 対面と遠隔の併用(対面≧遠隔)  60単位上限 対象外 
対象学生 ----- 
キーワード 正則関数、コーシー・リーマンの関係式、コーシーの積分定理・積分公式、留数定理、ローラン展開 「対面形式」と「双方向遠隔」の併用です。理工学域では名列番号の偶奇と講義日の偶奇が一致する場合には「対面」、一致しないときは「遠隔」となっていることに注指してください(一部例外あり)。これを「ハイフレックス授業型」と呼んでいます。 
講義室情報 自然科学本館(総合研究棟Ⅴ) 109講義室(ハイフレックス授業型 HyFlex Type) 
開放科目 ----- 
備考 ----- 

授業の主題
まずこの科目は「AL重点拡充科目」であり、毎回の講義において小テストや質疑を中心としたアクティブ・ラーニングを実践することを明記しておく。
さて、学部1年生では、実数を独立変数および従属変数とする関数についての微積分学を学んだ。本講義では、複素数を独立および従属変数とする関数の「微積分学」について理解する。ここで導かれる「留数定理」を用いて、例えば微分積分学を学んだ際には複雑な置換あるいは部分積分法により求めるしかなかった広義積分が、具体的な積分計算は回避した「留数計算」で求積可能となるのである。併せて、複素平面・複素関数を導入することで2次元的な現象の取り扱いがより「数学的」になる様子を学ぶ。

 
学修目標(到達目標)
工学系の学生にとって必須の基本的な教養である複素解析の理論と応用について解説する。とくに正則関数がもつ諸性質について十分把握させ、その応用ができるようにすることが目標である。

 
授業概要
第1回 1)ガイダンス(講義内容、単位認定、成績、レポート形式について)
2)複素数 「複素数」の概説(教科書第1章の内容は各自確認のこと) リアクションペーパー完成。
第2回 複素関数(その1) 多項式・指数関数・三角関数・双曲線関数 リアクションペーパー完成。
第3回 複素関数(その2) 累乗根と平方根・対数関数・逆三角関数 リアクションペーパー完成。
第4回 複素関数(その3) 復習と確認
正則とコーシー・リーマン方程式(その1) 一般の累乗関数・指数関数等の多価関数、微分可能性, 正則性 
第5回 正則とコーシー・リーマン方程式(リアクションペーパー完成。その2) 前回の復習、コーシー・リーマン方程式 リアクションペーパー完成。
第6回 正則とコーシー・リーマン方程式(その3) 初等的な複素関数の正則性, 調和関数  リアクションペーパー完成。
第7回 復習 複素数の初等関数についての諸性質と正則性についての理解を確認する リアクションペーパー完成。
第8回 複素積分とコーシーの積分定理(その1) 複素積分,閉曲線に沿った複素積分とコーシーの積分定理 リアクションペーパー完成。
第9回 複素積分とコーシーの積分定理(その2) コーシーの積分定理の応用 リアクションペーパー完成。
第10回 「2πiの定理」の応用、これまでのまとめ リアクションペーパー完成。
第11回 コーシーの積分表示 前回までの簡単な復習、コーシーの積分表示とグルサの公式 リアクションペーパー完成。
第12回 テイラー展開、ローラン展開と留数定理(その1) べき級数,テイラー展開 リアクションペーパー完成。
第13回 テイラー展開、ローラン展開と留数定理(その2) ローラン展開,特異点,特異点の種類の素早い見分け方、ロピタルの定理 リアクションペーパー完成。
第14回 テイラー展開、ローラン展開と留数定理(その3) 前回の復習、留数,留数の求め方,留数定理 リアクションペーパー完成。
第15回 実積分への応用 留数定理 タイプI: 三角関数を含む定積分,タイプII: 有理関数の定積分 リアクションペーパー完成。
第16回 理解度の確認のために期末試験を実施する。 出題範囲の詳細などは第15回講義において説明する。
 
評価方法と割合
評価方法
標準評価方法/Standard rating method 期末試験、理解度を確認する講義内の活動、提出課題等の内容を総合的に評価する。期末試験は素点を基に、活動内容とレポートは内容を判断して評価を行う。特に課題は毎講義で課す予定であり、提出は基本である。その解答の丁寧さに加え、他の問題演習を自主的に取り組んでいる場合に最大の評価を行う。
その基準は以下の通り:

1.複素数の図形的な表示をもとに複素数列や複素関数の収束性について理解できていること。
2.指数関数,三角関数等の初等関数の複素変数への拡張とその性質について理解できていること。
3.正則性の定義の理解およびコーシー・リーマンの関係式を利用して関数の正則性を判定できること。
4.複素積分の基本性質を理解できていること。
5.コーシーの積分定理・積分公式をよく理解し具体例に応用できること。
6.留数の計算および留数定理の応用できること。
7.正則関数のテイラー展開、有理型関数のローラン展開を理解できていること。
 
評価の割合
・(25)% ‘リアクション・ペーパー’(講義中の活動を含む)
・( )% 中間試験
・(50)% 学期末試験
・(25)% レポート
・( )% 出席状況
・( )% 演習の発表点
 
授業時間外の学修に関する指示
予習に関する指示
遅くとも講義の2日前までには講義資料(講義ノート・リアクションペーパー等)を掲載するので利用すること。
 
予習に関する教材
オンデマンド教材(授業内容の全体)
 
復習に関する指示
リアクションペーパーと課題レポートは次の講義前日20時までにLMSの指定されたページに提出すること。
 
復習に関する教材
オンデマンド教材(授業内容の全体)
 
教科書・参考書
教科書
教科書 書名 ISBN
9784627076419
著者名
板垣正文著
出版社
森北出版
出版年
2021
 
教科書・参考書補足
テキスト:板垣正文著「工学系学生のための複素関数」(森北出版)

参考図書や演習問題書などについては,講義内で適宜紹介する。
 
オフィスアワー等(学生からの質問への対応方法等)
質問は随時受け付けます.わからなくなったときには,講義中あるいは終了時などにすぐに質問するようにしてください.
もちろん, アカンサスポータルの「質問室」やメール送信機能を利用するのでも, リアクションペーパーや課題レポートの質問記入欄に記載するのでも歓迎します. 
なおアカンサスポータルを利用しない場合の E-mailのアドレスは
tohge[at]se.kanazawa-u.ac.jp
です.
質問は、まずはWebClassの質問室か e-mail で受け付けます。オフィスアワーは金曜日の16時から17時まで研究室3B511で、とします。
 
履修条件
特になし

 
適正人数
履修者が金沢大学の学生として真摯に学習に取り込むならば教室の収容可能人数がの適性値になる.
 
その他履修上の注意事項や学習上の助言
予習:次回の講義内容についてテキスト当該部を確認し、その備えとすること。
復習:講義後できるだけ速やかに、レポート課題を解き、該当する項目をテキストやポータルにアップしたノートで確認するように努めること。
 
 

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そして、最善を尽くせ! そして不明な個所は得を置かずに質問を!

 
特記事項
カリキュラムの中の位置づけ
微分積分学、線形代数学、ベクトル解析、微分方程式

 

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