タイトル

科目名[英文名] 動物実験と再生医学[Laboratory animal science and stem cell biology] 
担当教員[ローマ字表記] 渡会 浩志[WATARAI, Hiroshi], 大黒 多希子[DAIKOKU, Takiko], 堀家 慎一[HORIKE, Shin-ichi], 橋本 憲佳[HASHIMOTO, Noriyoshi], 香城 諭[KOJO, Satoshi] 
科目ナンバー -----  科目ナンバリングとは
時間割番号 41152  科目区分 ----- 
講義形態 -----  開講学域等 医薬保健学域 
適正人数 -----  開講学期 Q1,Q2,Q3 
曜日・時限 集中  単位数 1単位 
授業形態 対面のみ  60単位上限 対象外 
対象学生 ----- 
キーワード 実験動物学、動物実験の倫理、遺伝子改変動物、幹細胞生物学、再生分子医学、免疫生物学、エピジェネティクス制御学 ハイブリッド型(コロナ禍の状況に応じて対面授業、オンデマンド授業、双方向型Web授業を併用する場合有り) ※詳細は,メッセージ等で随時指示するので確認すること。 
講義室情報 (対面と遠隔(オンデマンドと双方向)の併用) 
開放科目 ----- 
備考 開講学期,開講時限等は時間割表等で確認すること。 EMI科目(英語で行われる授業科目) 

授業の主題
 医学研究の重要な研究手段である動物実験の基本的な考え方とその方法論の概略を紹介し、科学的にも倫理的にも正しい動物実験が行える知識と心構えを修得させる。また、遺伝子機能解析や疾患モデル動物作出における発生工学として急速に普及した遺伝子改変動物の基本的原理と最新の方法論を紹介することで、将来、疾患研究に携わる際に必要な土台の構築を目指す。
 一方、昨今の各種疾病に対する再生医療実現の期待が高まる中、その基盤となる組織幹細胞や多能性幹細胞(胚性幹細胞(ES細胞)やiPS細胞)の分子生物学的性質を、分化・増殖・がん化・エピジェネティクスといった観点と併せ基礎から紹介する。また、幹細胞を利用した再生医療の具体例や、再生分子医学とその関連領域における最先端の研究成果を紹介する。
 
学修目標(到達目標)
 医学研究に必須な遺伝子改変動物学の基礎を習得させると共に、日々進歩する最先端の実験手法についても、その原理と応用を正しく理解させる。特に実験動物にとって重要な遺伝学的制御と微生物学的制御について理解する。また、実験動物を利用した最先端の研究課題に触れることで、医学研究に対するモチベーションを向上させる。
 幹細胞生物学や再生分子医学における最先端の研究内容を、分子生物学やエピゲノム、細胞生物学的知識も含めて紹介すると共に、基礎医学研究における応用例について講義する。また、医学研究を遂行する上で重要な倫理的側面についても,基礎から分かりやすく講義し倫理観を啓発する。
なお、本講義は英語での講義を実施を基本とする。これにより、専門用語の英語表現の習得を目標とする。また、日本が世界をリードしてきた分野の一つであるため、最新の知見を国内他機関の講師を招聘し、最先端のサイエンスの神髄に触れる。
 
授業概要
1. 実験動物学
 1)実験動物と動物実験
 2)動物実験の倫理と法的な規制 
2. 動物実験を正しく行う上で、考慮すべき視点について
 1)遺伝学的制御(動物遺伝学の基礎、交配方法と各種系統、遺伝的モニタリング)
 2)微生物学的制御(実験動物の感染病、微生物モニタリング、人獣共通伝染病)
3. 遺伝子改変動物作出の原理とその応用例
 1)発生工学の進歩
 2)遺伝子改変動物
 3)ES細胞と遺伝子欠損動物
 4)ゲノム編集
4.再生医学と細胞のがん化
 1)幹細胞の発生と分化制御機構
 2) 細胞のがん化とその分子機構
5. 再生医学とエピジェネティクス
 1)リプログラミングとエピジェネティクス
 2)エピジェネティクスと疾患
6. 再生医学と多能性幹細胞
 1) 多能性幹細胞の自己複製制御機構
 2) 多能性幹細胞を利用した再生医学の可能性と問題点
 
講義スケジュール
講義回テーマ具体的な内容担当教員
1エピジェネティクスの概念と応用 堀家 慎一[HORIKE, Shin-ichi](疾患モデル総合研究センター 研究基盤支援施設)
2実験動物の遺伝学的制御と微生物学的制御 橋本 憲佳[HASHIMOTO, Noriyoshi](疾患モデル総合研究センター 実験動物研究施設)
3動物実験の倫理と法規制並びにモデル動物の作製と応用 大黒 多希子[DAIKOKU, Takiko](疾患モデル総合研究センター 実験動物研究施設)
4幹細胞研究と再生医療 香城 諭[KOJO, Satoshi](医薬保健研究域 医学系)
5幹細胞・免疫システム 渡会 浩志[WATARAI, Hiroshi](医薬保健研究域 医学系)
6多能性幹細胞と細胞・臓器再生 渡会 浩志[WATARAI, Hiroshi](医薬保健研究域 医学系)
7動物実験と再生医学の最前線1  
8動物実験と再生医学の最前線2  
 

評価方法と割合
評価方法
講義への出席と筆記試験
「S(達成度90%~100%)」、「A(同80%~90%未満)」、
「B(同70%~80%未満)」、「C(同60%~70%未満)」を合格とし、
「不可(同60%未満)」を不合格とする。

 
評価の割合
・100% 学期末試験
授業への出席が前提となるので、評価は試験成績のみで行う。
授業の3分の2以上に出席しない場合には学期末試験を受けることを認めない。

 
ルーブリック
【授業別ルーブリック】
評価項目評価基準
不可
・生命現象の科学(生命の最小単位―細胞) ・個体の構成と機能(細胞の構成と機能、組織・各臓器の構成、機能と位置関係、個体の調節機能とホメオスタシス,個体の発生) ・倫理規範と実践倫理 組織幹細胞や多能性幹細胞の特性を十分理解し、それぞれの特徴や、類似性/相同性、分化や増殖の分子機構、エピゲノム修飾機構を分かりやすく説明することができる。また動物実験を行う上で守るべき規則、気をつける点や研究を行う上で何を証明するときにどのような動物実験が利用できるかを分かりやすく説明することができる。組織幹細胞や多能性幹細胞の特性、エピゲノム修飾機構を分かりやすく説明することができる。また動物実験を行う上で守るべき規則と気をつける点を十分理解し、分かりやすく説明することができる。組織幹細胞や多能性幹細胞の特性、エピゲノム修飾機構および動物実験を行う上で守るべき規則と気をつける点を理解できている。組織幹細胞や多能性幹細胞の特性、エピゲノム修飾機構および動物実験を行う上で守るべき規則と気をつける点を最低限度、学習できている幹細胞および動物実験に関する学術的な知識の修得が不十分である。
・課題探究・解決能力,学修の在り方 ・医学研究への志向 科学的思考力や倫理規範、学術研究志向が際立って身に付いており、将来独立した研究医としての活躍が充分に期待できる。医学類生の中でも、際立って科学的思考力や倫理規範、学術研究志向が充分に身に付いている。医学類生として、必要な科学的思考力や倫理規範、学術研究志向が充分に身に付いている。医学類生として、必要最低限度の科学的思考力や倫理規範、学術研究志向が身に付いている。医学類生としての、科学的思考力や倫理規範、学術研究志向が身に付いていない。
      
      
      
 
授業時間外の学修に関する指示
予習に関する指示
「エッセンシャル細胞生物学」をよく復習しておくこと。特に「7. DNAからタンパク質へ」、「8. 遺伝子発現の調節」、「10. 現在の組換えDNA技術」、「16. 細胞のシグナル伝達」「20. 細胞のつくる社会」などは、重要関連項目であるため、よく見直しておくこと。
 
予習に関する教材
 
復習に関する指示
「復習ノート」の作成を推奨する。授業で学んだことを、自分なりにノートもしくはパソコンに書き起こし、自分の言葉でまとめておくこと。また、授業中に「論述復習問題」が出された場合には、丁寧に論述しておくこと。自分で何度も読み返し、推敲を繰り返すことで、完成度の高い論述文にすることを勧める。友人同士で添削し合うのも良いアイディアである。
 
復習に関する教材
 
教科書・参考書
特になし
オフィスアワー等(学生からの質問への対応方法等)
動物実験に関する質問は、疾患モデル総合研究センター(実験動物研究施設)(大黒)に直接来てもよいし、メール(tdaikoku@kiea.m.kanazawa-u.ac.jp)での質問も受け付ける。再生医学に関する質問は幹細胞免疫制御学分野に直接来ても良いし、メール(hwatarai@med.kanazawa-u.ac.jp)での質問も受け付ける。
 
履修条件
その他履修上の注意事項や学習上の助言
出席して講義をよく聞くこと
 
特記事項
特になし

ページの先頭へ