タイトル

科目名[英文名] 衛生学[Hygiene] 
担当教員[ローマ字表記] 出村 昌史[DEMURA, Masashi] 
科目ナンバー -----  科目ナンバリングとは
時間割番号 41160  科目区分 ----- 
講義形態 -----  開講学域等 医薬保健学域 
適正人数 -----  開講学期 Q1,Q2,Q3,Q4 
曜日・時限 集中  単位数 3.5単位 
授業形態   60単位上限  
対象学生 ----- 
キーワード 遠隔・対面併用,健康,予防医学,環境,中毒,成長・老化 
講義室情報 ----- 
開放科目 ----- 
備考 ----- 

授業の主題
社会医学はヒトの健康の保持・増進を目的とする学問であるが,その中で衛生学では環境と生体の関わりに重点をおいた講義実習を行う。
 
授業の目標
環境を定義し,それぞれの環境とヒトの生活が如何に相互関係を保っているか総合的に理解するとともに,健康の保持・増進を疾病予防よりもさらに重視する。勿論,疾病予防は重要であり,健康の保持・増進こそが疾病予防の第一歩であることの理解も必要である。従って,医学で取り扱われる可能性のある全範囲を扱うので,バランスを理解することも重要である。
 
学生の学修目標
基礎医学全般のしっかりした理解が必要であり,その上に衛生学は応用科学として存在していることが前提であることを再確認する必要がある。このことを理解した上で,健康の保持・増進に関わる事象をグローバルに把握する。理解度の評価に筆記試験を利用する。
 
授業概要
(1)衛生学総論では,衛生学・疫学の基礎及び健康状態の把握について講義する。
(2)衛生統計学では,自然科学研究・疫学・医療計画などには数値の適切な処理が不可欠であることから,よく用いられる数値・手法を講義し,演習を行う。
 1. 数値・尺度
  1)曝露人口,相対危険度,寄与危険度,オッズ比
  2)羅患率,有病率,死亡率
  3)スクリーニング  
  4)実験データ・アンケートデータの評価,等
 2. 記述統計とデータ解析
  1)パラメトリック・ノンパラメリック統計
  2)ANOVA
  3)χ2検定
  4)(重)相関と(重)回帰
  5)多変量解析と実験計画法,等
 3. 簡単なコンピュータープログラム

(3)衛生学各論では,環境と生体の関わりを以下のテーマ毎に講義する。
 1. 環境と保健
  1)環境の定義
  2)自然環境:物理的環境,化学的環境,生物的環境
  3)ヒトと環境:生活環境,作業環境,都市居住環境,地域社会
  4)社会的環境:国際化と社会の多様化
  5)地球環境問題:酸性雨,地球温暖化,遺伝的多様性,等
  6)時間:母子連関,成長,加齢
 2. 流行
  1)流行概念
  2)自然環境に基づく流行
   i 毒科学・中毒学:毒と薬
   ii 薬物依存:アルコール,たばこ,覚醒剤,等
   iii 環境汚染化学物質と生物学的環境
   iv 食中毒:自然毒,混入物,食品添加物,等
  3)遺伝と環境に基づく流行
   i 素因と遺伝性疾患
   ii 遺伝形式
   iii 遺伝子の修飾
   iv 固体発生と生育
   v 生活習慣病
   vi 加齢と発癌
   vii 食品と栄養
   viii 免疫
  4)精神社会環境条件に基づく流行
   i 生と死・福祉
   ii 高齢化社会
   iii 精神障害
   iv Cross-cultural communication

(4)実習は公衆衛生学と同時期に行う。マイナーグループディスカッションを重視した環境と生体の関わりに関する実習で,環境と生体の反応に関係するデータについて,実験,調査を行い,学会形式での発表を行う。計画立案には自主性を重視するが,衛生学講義にもりこまれた内容の実践であることに留意する。

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1)衛生学総論
 衛生学の背景、対象を知る
2)衛生統計学1:統計指標
 衛生学で使用される統計指標を知る
3)衛生統計学2:基礎統計
 衛生統計学の基礎
4)衛生統計学3:応用統計
 衛生統計学の応用的利用
5)統計学演習1
 衛生統計学の実際的利用1
6)統計学演習2
 衛生統計学の実際的利用2
7)環境衛生学1:環境保全
 環境汚染一般とその防護
8)環境衛生学2:気圏・水圏
 気圏・水圏における汚染とその防護
9)環境衛生学3:中毒学総論
 中毒学一般
10)環境衛生学4:中毒各論
 中毒を起こす化学物資
11)環境衛生学5:生体影響
 総合的な環境の生体への影響
12)環境衛生学6:有益な物質1
 栄養 1
13)環境衛生学7:有益な物質2
 栄養 2
14)生物学的環境1:感染症総論
 衛生学的にみた感染症の意義
15)生物学的環境2:感染症各論
 各感染症の解説と分類
16)生物学的環境3:旅行医学
 旅行に伴う疾病
17)生物学的環境4:食中毒
 食に関わる中毒
18)実習講義
 実習の行ない方
19, 20)実習打ち合わせ
 実習の行ない方の確認
21)物理・遺伝的環境1
 物理的環境に基づく疾患
22)物理・遺伝的環境2
 物理的環境に基づく遺伝子の障害
23)時間
 時間経過に基づく疾患
24)精神1:精神性疾患
 精神性疾患一般
25)精神2:嗜癖
 嗜癖の形成と関連する薬物
26)精神3:飲酒・喫煙
 飲酒・喫煙による嗜癖の形成
 
評価方法と割合
評価方法
講義及び実習終了後に試験を行う(3年秋学期)。衛生学総論及び衛生統計学講義終了後に中間的試験を行うことがある。
 
評価の割合
授業には、3分の2以上の出席を必要とする。
学期末試験
演習の発表点
記述箇所 試験のみ。演習の発表は受験資格の有無に影響する。
 
授業時間外の学修に関する指示
予習に関する指示
基本、必要なし。
 
予習に関する教材
 
復習に関する指示
基本、必要なし。
 
復習に関する教材
 
教科書・参考書
参考書
参考書 書名
総合衛生公衆衛生学 上巻
ISBN
著者名
出版社
出版年
2017
参考書 書名
総合衛生公衆衛生学 下巻
ISBN
著者名
出版社
出版年
2017
 
教科書・参考書補足
第1回講義時に連絡。原則不要。
 
オフィスアワー等(学生からの質問への対応方法等)
随時(オフィスアワー:9:00-17:00)
 
履修条件
その他履修上の注意事項や学習上の助言
基礎医学全般のしっかりした理解が必要である。少なくとも解剖・生化学・生理学は充分こなせているという前提の元に講義は進行する。その上に衛生学は健康保持と疾病予防を目指す学問であるので,あらゆる基礎・臨床医学の知識を得ようという意欲を歓迎する。on goingの他の基礎科目ともどのような点でoverlapしているのか,常に確認することが重要である。
 
特記事項
特になし

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