タイトル

科目名[英文名] 経済法[Economic Law] 
担当教員[ローマ字表記] 洪 淳康[HONG, Soongang] 
科目ナンバー LAW3616A  科目ナンバリングとは
時間割番号 32449  科目区分 ----- 
講義形態 講義  開講学域等 人間社会学域 
適正人数 -----  開講学期 Q3,Q4 
曜日・時限 月3,水2  単位数 4単位 
授業形態   60単位上限  
対象学生 ----- 
キーワード 独占禁止法、競争法、公正且つ自由な競争、グローバル化、公正取引委員会   
講義室情報 総合教育講義棟 B1講義室 
開放科目 ----- 
備考 ----- 

授業の主題
市場経済における企業行動の基本ルールを定める独占禁止法を中心に講義します。

 
授業の目標
市場経済における公正かつ自由な競争を制限する企業行動の概要を理解できるようになること、競争制限行為を禁止する独占禁止法の規制内容が理解できるようになること及び実際の事例について独占禁止法違反の有無を判断できるようになることです。さらに、米国、EU、中国及び韓国などの競争法と独占禁止法を比較することを通じて、独占禁止法の内容をより深く理解できるようになることも目的とします。

 
学生の学修目標
「どのようなことをすれば独占禁止法に違反するのか」及び独占禁止法違反があった場合、どのような罰則があるかについて理解できるようになることです。

 
授業概要
 企業活動において価格または品質などに関する競争はいつも発生します。しかし、できるだけこのような競争をせずやっていこうとする企業も存在します。そのような企業は、様々な方法で競争を骨抜きにしようとします。このような行為のうち、いくつかの行為は「独占禁止法」によって禁止されています。禁止されている行為とは、競争企業同士が手を組むこと(カルテルや入札談合など)、他のライバル企業をある一定の方法で市場から追い出そうとすること、競争に悪影響を及ぼしそうな合併などです。授業においては、どのような行為が独占禁止法によって禁止されるのか及びその罰則(エンフォースメント)について説明します。また、条文だけではなく、実際の事例の内容の正確な理解のため、「トピックス」及び「調整日」において、伝統的な重要事例、もしくはその時に話題となっている事例の内容について詳細な説明をします。

講義予定(変更の可能性あり)
第1回:ガイダンス
    独占禁止法とは何か、講義全体の概要及び評価方法
第2回:独占禁止法の史的展開と基本理念
    独占禁止法の歴史、競争政策の意義と役割
第3回:総則
    事業者、競争及び市場の定義
第4回:私的独占の禁止①
    行為要件、競争の実質的制限の意味、不公正な取引方法との関係
第5回:私的独占の禁止②  
    排除及び支配の意味、具体的な行為類型、効果要件 
第6回:不当な取引制限の禁止①
    意思の連絡と立証、相互拘束と共同遂行
第7回:不当な取引制限の禁止②
    競争の実質的制限の意味、ハードコアカルテルと非ハードコアカルテル
第8回:不当な取引制限の禁止③
    正当化事由、事業法規制、行政指導、官制談合
第9回:私的独占及び不公正な取引方法に対する排除措置命令と課 徴金
    排除措置命令の内容、課徴金の算定方法、課徴金減免制度
第10回:事業者団体
    事業者団体の意味、禁止行為及びエンフォースメント
第11回:企業結合の規制①
    総説、一般集中規制
第12回:企業結合の規制②(公正取引委員会職員による、「独占禁止法教室」への変更可能性あり)
    市場集中規制、エンフォースメント
第13回:不公正な取引方法①
    定義、公正競争阻害性の意味、一般指定
第14回:不公正な取引方法②(公正取引委員会職員による、「独占禁止法教室」への変更可能性あり)
    取引拒絶、差別対価、取引条件等の差別的取り扱い
第15回:不公正な取引方法③
    不当廉売、差別対価と不当廉売の違い、ぎまん的顧客誘引
第16回:不公正な取引方法④
    不当な利益による顧客誘引、抱き合わせ販売
第17回:不公正な取引方法⑤
    再販売価格の拘束、排他条件付取引、拘束条件付取引
第18回:不公正な取引方法⑥
    優越的地位の濫用、下請法との関係、取引の相手方の役員選任への不当干渉
第19回:不公正な取引方法⑦
    競争者に対する不当な取引妨害、内部干渉、排除措置命令及び課徴金
第20回:調整日(または質疑応答)
第21回:調整日(または質疑応答)
第22回:適用除外
    知的財産権による権利行使、組合の行為、再販売価格の拘束
第23回:差止請求及び損害賠償請求
     差止請求及び損害賠償請求権が認められるための要件と現状
第24回:公正取引委員会
    組織と役割
第25回:エンフォースメント①
    総論、行政手続
第26回:エンフォースメント②
    公取委の命令に対する抗告訴訟、民事及び刑事訴訟
第27回:エンフォースメント③
    刑事罰、犯則調査
第28回:トピックス(事例解説)
第29回:調整日(または質疑応答)
第30回:まとめ

 
評価方法と割合
評価方法
次項の項目及び割合で総合評価し、次のとおり判定する。
「S(達成度90%~100%)」、「A(同80%~90%未満)」、
「B(同70%~80%未満)」、「C(同60%~70%未満)」を合格とし、
「不可(同60%未満)」を不合格とする。(標準評価方法)
 
評価の割合
学期末試験 100%
 
ルーブリック
【授業別ルーブリック】
評価項目評価基準
不可 合計点:0~59点 C 合計点:60~69点 B 合計点:70~79点 A 合計点:80~89点 S 合計点:90~100点
行為要件の理解ほとんど理解していない。基本的な要件のみ明示しており、根拠や検討がやや不十分である。 各種行為要件がある程度残らず検討されており、根拠も比較的的確である。各種行為要件についてほぼすべて検討され、根拠も的確である。各種行為要件についてすべて検討され、根拠も完璧である。
市場画定の理解市場画定が正しくない、またはなされていない。 基本的な検討はなされているが、問題解決との関連性は不十分である。比較的正しく検討され、問題解決につながっている。正しい検討がなされ、問題解決に役立っている。精緻な市場画定がなされ、問題解決に直接つながっている。
反競争性(競争の実質的制限または公正競争阻害性)の理解理解していない、または検討していない。 一応検討されているが、競争の実質的制限または公正競争阻害性のそれぞれの意味及び違いへの理解が不十分である。 競争の実質的制限または公正競争阻害性の意味、適用が比較的的確である。競争の実質的制限または公正競争阻害性の意味、適用が的確である。競争の実質的制限または公正競争阻害性が精緻に検討され、的確に適用されている。
正当化事由の理解なぜ検討しなければいけないのか、理解していない、または検討していない。正当化事由について一応明記し、検討しているが、不十分である。 正当化事由と反競争性の関係について比較的的確に認識し、適用している。正当化事由と反競争性の関係について的確に認識し、適用している。正当化事由によって反競争性が成立しないことがあるのを正確に理解している。
エンフォースメント(排除措置命令、課徴金納付命令)適用検討していない、または理解がなされていない。 検討はされているが、両者の関係及び課徴金率が誤っているところがある。 両者の関係及び課徴金率がほぼ正しく適用されている。両者の関係及び課徴金率が正しく適用されている。両者の関係及び課徴金率が完全に正しく適用されている。
 
授業時間外の学修に関する指示
予習に関する指示
予習に関する教材
 
特になし
復習に関する指示
復習に関する教材
 
教科書・参考書
教科書
教科書 書名 ISBN
978-4-641-24314-9
著者名
土田和博・栗田誠・東條吉純・武田邦宣
出版社
有斐閣
出版年
2019
 
参考書
参考書 書名 ISBN
978-4-641-11534-7
著者名
金井貴嗣・泉水文雄・武田邦宣編
出版社
有斐閣
出版年
2017
 
教科書・参考書補足
【教科書】
※必要に応じて資料を配布します(但し、あくまで教材の補助に過ぎません)。

【参考書】
大久保直樹・‎伊永大輔・滝澤紗矢子『ケーススタディ経済法 』(有斐閣、2015年)
川濵 昇・武田邦宣・‎和久井理子『論点解析 経済法[第2版]』(商事法務、2016年)
白石忠志『独占禁止法[第3版]』(有斐閣、2016年)
白石忠志『独禁法事例集』(有斐閣、2017年)
金井貴嗣ほか編『独占禁止法[第6版]』(弘文堂、2018年)
白石忠志『独禁法講義 [第8版]』(有斐閣、2018年)
菅久修一編著『独占禁止法[第3版]』(商事法務、2018年)
OECD, Implications of E-commerce for Competition Policy - Note by BIAC, DAF/COMP/WD(2018b)73
 
オフィスアワー等(学生からの質問への対応方法等)
授業後、時間が許す限りにおいて受け付けます。また、研究室訪問による質問も可能です(但し、メール等によって事前にアポイントメントを取ってください)。

 
履修条件
その他履修上の注意事項や学習上の助言
普段から新聞(経済面)を少しでも読んでください。
 
特記事項
特記事項
11月のいずれかの講義日において、現役の公正取引委員会の職員にきてもらい、「独禁法教室」を開く予定である。
 

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